神宮前皮膚科blog

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カテゴリ:晴美先生( 3 )

教えて!晴美先生!第三回「乾皮症(かんぴしょう」



暑い夏がやっと終わり、東京でも朝夕肌寒い季節となりました。
皮膚の乾燥が始まります。
今回は乾皮症皮脂欠乏性湿疹について、です。


乾皮症とは皮膚の表面のあぶらが減少することにより、皮膚の水分量が減り、
乾燥した状態です。

皮表の水分が減ると、皮膚はカサカサと乾燥し、粉がふいたような状態になります。
それが、はがれたり、ひび割れたりします。
皮膚がカサつくと、衣服が擦れたりする程度の"軽い刺激"でかゆみを感じるようになります。
皮膚を掻いてしまうと、赤くなったり、ボツボツが出来て、湿疹(皮脂欠乏症湿疹)を起こしていきます。
四肢(両手・両足)、特に足のスネ(下腿)が出やすいところです。
中高年の方・アトピー性皮膚炎の方・血液透析を受けている方、などが
乾皮症をおこしやすいです。


☆乾皮症を悪化させるのは?☆

・空気の乾燥:電気毛布やカーペットの使用
・皮膚の洗いすぎ:界面活性剤の多い洗剤などの使用
・乾布摩擦などのこすりすぎ。などです。



☆乾燥した皮膚のスキンケア☆  皮脂を取りすぎない。乾燥を防ぐ。

・入浴について:熱いお風呂や長湯はしない
        ナイロンタオルやヘチマなどでゴシゴシと洗わない
        石けんは"乾燥肌用"を使用、使いすぎに注意
        保湿成分入りの入浴剤を使用する

・保湿剤の使用:尿素入りや、ヘパリン類似物質
        セラミド入り乳液、クリーム
        ビタミンA・Eクリーム
        白色ワセリンなどの油脂

・空気の乾燥、皮膚の乾燥に注意:
        電気毛布やアンカの使用に注意する(温度は低めに設定)
        加湿器を使用する。

・皮膚に刺激の少ない衣服:
        木綿など、刺激の少ないものを選ぶ。
        乾布摩擦は乾燥した肌には適さない。



☆乾皮症の治療☆

・保湿剤
 病院では尿素含有軟膏、ヘパリン類似物質、白色ワセリンなど、処方出来ます。

・湿疹化した時
 ステロイド含有軟膏が必要。保湿剤も一緒に処方します。

・かゆみが強い時
 かゆみ止めの内服(副作用に注意)
 ※かゆみ止めの副作用は、眠気・ふらつき・口の渇き・排尿障害・緑内障など。
  最近は副作用の少ないかゆみ止めを選んで使用することが勧められています。
  皮膚科にご相談してみてください。



☆皮脂のうるおう仕組み☆
  
皮膚は皮脂角質細胞間脂質天然保湿因子、という3つの物質により
一定に潤うようになっています。

皮脂:皮脂腺(←毛包についている)から分泌される脂質で、皮膚の表面を覆い、
    水分の蒸発を防いでいます。

角質細胞間脂質:表皮で作られ、角質細胞と角質細胞との間を埋めている、"セラミド"、
         "コレステロール"、"脂肪酸"などで細胞と細胞をくっつけています。

天然保湿因子:角質層にある低分子のタンパク質

※皮脂や表皮細胞由来の脂質が、汗などの水分と乳液を作り、"皮表膜"を作ります。
 この膜は外からの物質の侵入を防ぎ、皮膚からの不感蒸発を抑えるので、
 殺菌作用・保湿作用などを有しています。

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by pipuka1112 | 2010-10-22 18:25 | 晴美先生

教えて!晴美先生!第二回「あせも(汗疹)」

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梅雨明け早々、猛暑が続いています。
今回は夏の季語にもなっている、あせも(汗疹)について書いてみました。



あせも(汗疹)は、汗が原因の皮膚炎です。
汗が皮膚の下に貯留することにより発生します。

汗は、"エクリン汗腺”という器官で出来ます。
汗管から分泌されており、主に体の冷却装置として働いています。

暑い夏に、皮膚を冷やす為、沢山の汗が出ます。
汗が急激に沢山出ると、汗の出る汗孔がふさがり、皮膚の下に貯まってしまいます。
汗の貯まる皮膚の層により、水晶様汗疹、紅色汗疹、深在性汗疹、に分類されていますが
一般に言うあせも(汗疹)とは、紅色汗疹をさしています。


あせも(汗疹)は、
汗をかきやすい乳幼児太った人高熱の人冬でも厚着をしている人
厨房など高温の環境で働く人多汗症の人、に出来やすいのです。


"エクリン汗腺”は全身に200〜400万個あり、
特に手のひら足の裏頭部、に多く分布しています。
大人も子供も数は同じです。
体表面積の小さい子供は、汗腺の分布密度が高いので、
子供は夏に沢山の汗をかくのです。




ーあせも(汗疹)の合併症ー


・あせものより(汗疹膿瘍)
 あせも(汗疹)を放置して、痒みが続き掻いてしまうと、
 細菌感染をおこし、赤い膨らみや膿のたまった膨らみが出来たり、
 リンパ節が腫れたり、発熱を起こすこともあります。
 抗生物質の外用、内服が必要になります。


・とびひ(膿痂疹)
 掻き壊すことにより、皮膚表面の黄色ブドウ球菌が感染し、水疱が出来、
 それが破れ、カサブタを付けた糜爛(びらん)になります。
 その汁が別の皮膚に付くとあちこちに増えていきます。
 "飛び火”していくわけです。
 抗生物質の外用、内服が必要になります。




ーあせも(汗疹)の予防、あせも(汗疹)にならないためにー


汗をよく洗い流す
 シャワー、行水、プール遊びなどで汗を流すこと。
 濡れタオル、ガーゼで汗を拭き取る。


着替えをする
 汗をかいたら、こまめに衣服をかえること。
 また、汗を吸いやすい、木綿やガーゼなどの肌着を着ると良いです。


環境を涼しくする
 冷えすぎないように注意して、適度にクーラーを使用する。
 扇風機は直接、風が当たらないよう、首振りさせて、脱水や低体温に注意する。
 (最近の扇風機は子供の手が入りにくくなっていますが、事故に注意して使用して下さい)
 アイスノンにタオルを巻き、枕に。また水枕などを上手く使用し、涼しく。



ーあせも(汗疹)の治療ー

 あせも(汗疹)が出来てしまったら、炎症止めのローションを塗りましょう。
 皮膚科では、マイルドタイプの副腎皮質ホルモンローションを処方しています。
 ベビーパウダーの付け過ぎは、よけいに悪化させることになり、お勧めしません。
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by pipuka1112 | 2010-07-31 16:47 | 晴美先生

教えて!晴美先生!第一回「水虫」



汗ばむ季節となりました。
いよいよ、かゆい、水虫の季節でもあります。

水虫とは、白癬菌というカビの一種が、皮膚の表面(角層)に感染した状態です。
皮膚の角質を栄養にしています。
高温多湿を好みますので、夏の蒸れた靴の中は白癬菌にとっては最適な環境です。

水虫の症状は、

小水疱や小さいカサツキが出るタイプ(小水疱型)、
足の指の間が白くふやけるタイプ(趾間型)、
足底が厚くなりガサガサするタイプ(角化型)、

の3型がありますがその3型が Mix していることもあります。

このような症状が出たらすべて "水虫" という訳ではなく、
湿疹や水虫薬などによるかぶれ、汗が固まっただけの汗疱、その他、
などのこともあります。

足がかゆくなり、皮膚に変化がみられたら、
皮膚科を受診して、顕微鏡を使った検査(真菌直接鏡検)をしてもらいましょう。
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挿絵:akb
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by pipuka1112 | 2010-05-11 11:07 | 晴美先生